「相見積もり」を取らなくてはいけない理由
1社では適正価格がわからない
リフォームをする時に、1社からしか見積もりを受けず、そのまま契約をしてしまう方が多いのではないでしょうか?
しかし見積もりを1社しか取らない場合は、残念ながらリフォームに失敗してしまう可能性が高くなります。
その理由は、『リフォームには定価がない』ことがあげられます。
もちろん、リフォームに必要な床材やユニットバスなどの価格はある程度決まっていますよね。
しかし会社によって仕入れ価格が違ったり、作業工程、作業をする職人の経費なども違うため、同じようなリフォームをしても価格が変わってくるのです。
またリフォームの相場や費用は、地域によっても異なります。
ですから1社しか見積もりを取らないと「相場から考えて妥当なのか?」が分かりません。
リフォームのようなお金が掛かるものでは、数十万円~百万円程度も違ってくることもあるので注意が必要です。
そのため、相見積もりを必ず取るようにしましょう!
リフォーム相見積もりで注意すること9点
1.見積もりは基本無料。お金が掛かる場合もある
見積もりの取り方には「リフォーム会社に直接依頼する」か「ネットで調べて申し込む」の2通りの方法がありますが、いずれも料金は無料であることがほとんどです。
ただし、遠方の工務店に依頼する場合や、概算だけでなく詳細なプランニングを依頼する場合には、出張費やプランニング料が必要になることもあるので確認するようにしましょう。
2.複数社で見積もりを取る
リフォーム会社によって、仕入れ価格や施工費用が異なります。
そのため同じような工事内容であっても、当然金額は違ってきます。
なお、他社と比べて極端に安い場合は、人件費削減により、工事が雑になりトラブルが発生する危険があるので避けてください。
適正価格を知るためにもリフォーム時は、必ず複数社に同様の内容で見積もりを依頼するようにしましょう。
相見積もりをとる業者は3社で充分
相見積もりを取る会社は、3社程度がベストです。
これ以上多いと各会社とのやりとりに時間がかかりますし、提案された内容の比較に時間がかかり、どれがいいのかと混乱してしまう恐れもあります。
3社の相見積もりであれば、リフォーム費用の相場も分かり、時間的にも余裕があるので、しっかりと比較することができるでしょう。
3.相見積もりであることを伝える
相見積もりをとること自体はまったく問題ありません。
ただし、マナーとして必ず『見積もり依頼時に相見積もりであることを相手に伝える』ようにしましょう。
リフォームの見積もりを作成するには、それなりに時間と手間がかかります。
そのため、仕事が立て込んでいる会社の場合には、相見積もりのお客さんを断ることもあるのです。
相手の立場になって、他で相見積もりを取っていることを正直に伝えることが大切ですね。
4.相見積もりは同じ条件で取る
相見積もりを取って比較ができるのは、「同じ値段、同じ条件でリフォームを頼んだ場合にどちらのほうが良いのか」が分かるからです。
もしA社とB社で商品のグレードが違う見積もりを取ってしまうと、内容を正確に比較することができませんよね?
その場合、せっかく取った見積もりが役に立たなくなってしまいます。
リフォームで相見積もりを依頼する時は、商品のグレードや、リフォームの条件が同じになるようにしましょう。
5.見積もりの詳細が詳しい会社を選ぶ
リフォーム会社からもらった見積もりの内容が、イマイチ分からなくても問題ありません。
内容よりもしっかり確認したいポイントは、
「どれだけ見積もりの内訳が細かく、詳しく書かれているか」です。
「一式 ○○○円」と詳細が分からない業者は選ばない!
「一式 ○○○円」と見積もり書に記載されてたら、注意が必要です!
見積もり内容が「一式」だと、材料や単価が分らないので、比較ができません。
同じメーカーの商品を使った見積もりで比較したいのに、単価が分からなければ比べることもできず、相見積もりを取った意味が無くなってしまいます。
また「一式」の項目が多い会社は、工事内容がしかっりと計画されておらず、正しい工事金額が出せていない可能性もあります。
工事一式としか記載がなかった場合は、項目ごとに分けて見積もりを出してもらいましょう。
どこにどれだけの費用が掛かっているのか、詳細を細かく出してくれる会社を選びましょう。
見積書はここをチェック!
見積書に問題ないかを判断するために、注目したいポイントは次の通りです。
- 見積もり書の作成日は記載されているか
- 使用する商品名が記載されているか
- 作業の単価が記載されているか
- 作業の数量が記載されているか
- 諸経費は総工事費の何%なのか
- 見積もり書に有効期限があるかどうか
予定していた商品ではないものが取り付けられてしまうことがあるので、商品のメーカーや品番が正しく記載されているか確認しましょう。
諸経費は総工事費の何%なのかも確認しましょう。
通常は総工事費の10~15%ですが、高い場合は業者に確認するようにしましょう。
見積もり書に有効期限がある場合もあります。
有効期限が過ぎると、材料費の変動で金額が変わる可能性もあります。
有効期限が極端に短い場合は、悪質な業者の場合があるので注意が必要です。
6.打ち合わせは直接会って行う
見積もりをとった会社とは、直接会って対話をすることが大切です。
見積もり金額だけを見て決めると、失敗することがあります。
直接の対話により、その会社の提案力や技術、コミュニケーション能力を知ることができます。
また、親切な会社か、誠意があるかを知る重要な場面でもあります。
トラブル発生時に、しっかりとコミュニケーションが取れるかを知るためにも、対面で打ち合わせするようにしましょう。
正直に予算を伝えれば業者の対応もわかる
正直に予算を伝えれば、リフォーム会社の営業姿勢も分かります。
例えば、設定した予算では理想のリフォームに手が届かないと分かった場合、どちらの対応が信頼の置ける会社と言えるでしょうか?
・細かい説明もなく「うちならできます!」という会社
・「その予算では難しい。最低でもここは削らなければなりません」と正直に伝えてくれる会社
どちらが信用できるかは言うまでもないでしょう。
「伝えた予算内でどんな提案・対応をしてくれるのか」を見るのも、リフォーム会社選びの大切なポイントです。
7.評判のよい会社を下調べする
訪問営業や投函チラシなどをきっかけに、悪質業者に依頼してしまうケースが絶えません。
損害を防ぐためにも、近隣のリフォーム会社、工務店などのホームページや口コミを参考にして信頼性をチェックしておきましょう。
信頼性を測るポイントとしては、建築士や建築施工管理技士といった国家資格者がいるかどうか、建築業許可を取得しているか、などがあげられます。
また、各種保険への加入状況も、信頼できるかを見極める上でのポイントです。
リフォーム会社の評判を十分に調べた上で、地元で長く営業している会社に依頼すれば、良い会社に出会える確率が高くなるでしょう。
8.保証やアフターサービスについても確認する
見積もり額が適正価格であることも重要ですが、「保証の充実度」もリフォーム会社選びでは大事な情報です。
これらは、後からでは聞き難い部分でもあります。
また不具合があった際の対応についても、よく確認しておきましょう。
特に保証については、口約束だけでなく「保証内容や期間はどの書類に明記されているか」を尋ね、メモを取っておくようにしましょう。
9.工事費用に含まれる範囲を確認する
見積書を確認する際には、商品の本体価格+工事費のトータルの金額を調べることも重要です。
商品の価格は安くても、工事費は高いというパターンも多く見られます。
見積書に記載された合計額を、しっかり確認するようにしてください。
リフォームパックで提示されているのは、設備本体の入れ替え工事のみの金額です。
リフォームパックの値段に安心して工事を始めてみたところ、給湯管が劣化しており、追加工事費が発生してしまったという例もあります。
工事費用の内訳には、「接続工事」「交換工事」など詳細が分かりにくい表記が多いので、それぞれの費用項目の内容をリフォーム会社に聞いておくと良いでしょう。
リフォーム相見積もりマナー違反3点
1.他社の見積もりを見せて値下げ交渉はダメ!
先に貰った会社の見積もりを、他の会社に見せることは、マナー違反になります。
「見積書」はその会社の施工計画、ノウハウが詰め込まれたもの。
それを他社に見せることで、信頼関係が壊れてしまう恐れもあります。
無料でもらえる見積書も、実際には様々なコストを掛けて作られています。
他社が時間をかけて作った見積書を見せて、より安い金額でリフォームしようとするのは、お互いにとってメリットがないので止めましょう。
2.リフォーム内容の度重なる変更はダメ!
見積もりをとった後に、リフォーム内容を変更して、何度も見積もりを取り直すこともマナー違反になります。
「一式」の詳細を取り直すことや、1度の変更ならばいいですが、2度3度の変更はやめておいた方がいいでしょう。
見積もり作成にも相応のコストが掛かっているので、最終的に契約しない場合は、作ってもらった見積書が無駄になってしまいます。
見積もりは無料だからと言って、何度も変更することはやめましょう。
3.断りの電話をしないのはダメ!
見積もりを取ったからといって必ず契約する必要はなく、断ることも可能です。
契約を断る場合は、見積もりの金額やプラン内容などを理由に断ると、角が立ちづらくなります。
リフォーム会社も断られることを前提にしていますので、断っても問題はありませんが、断る際には必ず電話で伝えるようにしましょう。
見積もりだけ作ってもらって、断りの電話も入れないのはマナー違反です!
そうは言っても、断りの電話をするのは憂鬱ですよね。
でも断られる方はもっと憂鬱です。
簡単な見積りでも数時間、少し大きなリフォームになると見積り作成に数日掛かる事もあります。
ですから見積りだけ取って、その後に断りの連絡さえなく音信不通になったらガッカリしてしまいますよね?
感謝の気持ちを伝えると共に、どこが納得いかなかったかを伝えれば、相手も不快な思いをせず、スムーズに断わることができます。
連絡が来ても『無視する』などは、信頼関係が破綻する最悪の断り方になるので、きちんと自分の口から伝えるのが最低限の礼儀です。
契約後のキャンセルは可能。費用が発生する場合もある
見積もり後に契約をした場合でも、キャンセルは可能です。
契約書を交わして8日以内であればクーリングオフ、つまり、契約解除をすることができます。
たとえ、設備搬入されたあとでも、契約をキャンセルできます。
しかし、自己都合でのキャンセルには違約金などの費用がかかる場合もあるので注意してください。
また、契約時に定めた違約金に加えて、仕入れた材料費なども請求されることがあるため、基本的には無料での契約のキャンセルはできないと覚えましょう。
キャンセルで余計な費用を発生させないためにも、見積もりの内容をよく確認し、本当に納得してから契約することが大切です。
まとめ
リフォーム時に、適正価格や各会社の対応を知るためにも、必ず取るべき『相見積もり』
今回は、相見積もりを取る時の注意点を見てきました。
適正価格を知り、安くなる可能性もある『相見積もり』ですが、取り方によってはリフォーム会社との信頼関係を損なってしまうおそれがあります。
リフォーム会社との良好な関係を築き、納得できる工事をするためにも、相見積もりを取る時には、マナーに注意するようにしましょう。
注意すること9点
1.見積もりは基本無料。お金が掛かる場合もある
2.複数社で見積もりを取る
3.相見積もりであることを伝える
4.相見積もりは同じ条件で取る
5.見積もりの詳細が詳しい会社を選ぶ
6.打合せは直接会って行う
7.評判の良い会社を下調べする
8.保証やアフターサービスについても確認する
9.工事費用に含まれる範囲を確認する
してはいけないマナー違反3点
1.他社の見積もりを見せて値下げ交渉はダメ!
2.リフォーム内容の度重なる変更はダメ!
3.断りの電話をしないのはダメ!