リフォーム見積もり書の正しい見方12点
「そろそろリフォームしたい」と思ったとき、まず行うことは、見積もりをとることではないでしょうか?
しかし、見積書は何を注意すれば良いのか分かりにくいですよね。
リフォームに限ったことではありませんが、見積書を正しく見れなければ、思わぬトラブルにつながります。
リフォームをスムーズに行うために、見積書で注意する点と予算を抑えるテクニックを見ていきます。
1.作成日があること
リフォームの打合せでは、作成してもらう見積書が1枚とは限りません。
同じ業者とリフォームについて何度も打合せを行い、その度に見積書を出してもらった場合は、中身が似ているため、どれがいつの見積書か分からなくなる可能性があります。
最終的な見積書がどれなのかをきちんと確認しておかなければ、金額や工事内容の勘違いからトラブルが発生してしまいます。
どの段階の見積書かを判断するためにも、見積書の作成日が記載されていることを確認しておきましょう。
2.有効期限があること
見積書の有効期限もチェックしておきましょう。
期限を過ぎると、材料費の変動などにより、金額が変わることもあります。
また材料や設備の価格、職人の日当などは変化しますから、有効期限がない見積書というものはありえません。
有効期限がない見積り書は、そもそもいい加減なものである可能性が高いですね。
また、極端に短い有効期限が書かれている場合は要注意!
見積書の有効期限は1カ月が一般的です。
有効期限切れを理由に別途、高額な見積書を作られてしまう危険性がありますので、有効期限を確認しましょう。
3. 商品名や型番の記載があること
商品名や型番が正しく記載されているか、希望の商品に間違いがないかをチェックしましょう。
見積書には設置する設備名や使用部材の型番・メーカーも記載されています。
型番の記載が間違ったままリフォームが始まると、間違った部材が使用されてしまうため、見積もりの時点で間違いがないか確認します。
もし間違いがあった場合は、担当者に質問しましょう。
またインターネットなどで調べて、見積もりに書かれた設備や使用部材の価格が適正であるか確認するのも良いでしょう。
4.数量や単価が記載され、妥当か
単価がしっかり明記していない場合、他社と比較することが難しくなります。
数量に関しても同様です。
単価、数量、価格という表記で小計が出ていない見積り書は、信用が置けません。
床や壁の改修を行うのであれば、その正確な面積が記載されていなければ、正しい金額は出ません。
必要以上の量でかさ増しされていないかを確認しましょう。
施工面積や施工日数などをチェックし、妥当かどうか判断するといいですね。
数量を水増しする悪質な会社もありますが、面積や施工時間は、リフォーム会社によって計算方法に違いがあるので、他社より多くても一概に悪いとは言いきれません。
一概に多ければダメというわけではありませんので、疑問に思った点はリフォーム会社に確認してみましょう。
疑問点は質問してみて納得のいく説明が得られるかも、リフォーム会社を選ぶ際のポイントになります。
5.諸経費は総工事費の何%か
諸経費というのは、工事費全体の10%~15%程度が一般的です。
それ以上に高額な場合は、何が含まれているのかをリフォーム会社に確認してみましょう。
諸経費には、会社の経費や営業担当の交通費などが含まれています。
高く感じた場合は、他にどんなものが含まれているかを確認しましょう。
6.処分費用が計上されているか
取り壊しが必要な工事では、廃材の処分費用が絶対にあるはずです。
これが計上されていないということは、いい加減に見積りをしているか、諸経費の中に含まれているかだと考えられます。
いずれにしても、見積もりを出す姿勢としては正しくありません。
あとから請求される可能性もあるので、確認しておきましょう。
7.職人の日当が明記されているか
大工や職人の日当が明記されているか見ます。
複数人の大工が作業する場合は、ひとりずつの単価を出しにくいかもしれませんが、きちんと日当を明記してもらいましょう。
日当を確認しておけば、作業するのが経験の少ないアルバイトだらけだった、ということは防ぎやすくなります。
しっかりした職人が作業するのか知るためにも、日当の確認をしましょう。
8.「一式」と書かれた見積りは受け入れない
驚くことに見積書の中には「材料一式」や、ひどいところになると「屋根工事一式」などという表記だけで、明細が書かれていないものがあります。
こんな見積書では、どんな材料を使っているのか、何日かけて工事をするのかがまったく分かりません。
どんな材料を使っているかも分からないので、工事費総額に見合わない、グレードの低い材料を使われてトラブルが生じた場合でも、文句ひとつ言うことができなくなります。
見積書が出された時に「一式」と表記されていたら、一式見積りではダメだと伝えて、きちんと明細を出してもらいましょう。
9. 合計金額をチェック
単純な足し算が間違っていることもあるので、計算しておきましょう。
諸経費、調整費、管理費、雑費、産廃処理費などが二重計上されていたり、取り止めたはずの工事費用が削除されないまま計上されているケースがよくあります。
また、単純な計算ミスもよくありますから、面倒でも合計金額を自分自身で計算するようにしましょう。
10.押印があること
基本的に会社で正式に作成された書類には、押印または署名がされています。
法で決められているわけではないため業者によっては押印をせず見積書を発行している場合もありますが、正式な書類として作成されていない可能性が無いとは言えません。
トラブルを防ぐためにも、見積書には押印をしてもらうようにお願いしましょう。
11.署名が必要な場合は注意
基本的に見積書には、見積もりをお願いした依頼者が署名することはありません。
署名は契約を交わす際にするもので、見積書に署名欄がある場合は注意が必要です!
見積もりをお願いしただけなのに言われるままに署名してしまうと、契約したことにする悪徳業者がいるため、署名が必要な場合は理由を確認することが重要です。
見積書イコール契約書ではないので、一般的に承諾欄や署名欄はありません。
見積書にサインや捺印をしてしまうと、それをもって契約したことと見なされてしまう危険性がありますから、署名・捺印を求められたら必ず目的を確認しましょう。
12.不明瞭な部分を放置しない
見積書で最も大切なのは、不明瞭なままで判断しないという部分です。
諸経費、調整費、管理費、雑費などという名称で多額の費用が計上されている場合があります。
内容がよく分からない時は、どのような費用が含まれているのか説明してもらいましょう。
分からないまま工事をしてしまうと、せっかくのリフォームを失敗してしまう原因になります。
また見積書には建築用語が使われる場合もあり、内容が分かりづらかったり、大雑把に記載されている場合もあります。
そういった場合には担当者に確認して、自分がしっかり理解できるように書き換えてもらうか、説明してもらうようにしましょう。
予算を押さえるテクニック10点
1.リフォームの内容を明確にする
リフォーム費用を抑えるためには、どのような浴室にしたいのか明確にしておく必要があります。
あいまいなイメージのまま進めてしまうと、必要のないオプションや工事を追加してしまう可能性があるからです。
例えば、浴室の一部を修繕するだけのつもりが、カタログやショールームを見ているうちに、最新の設備を導入したくなる人も当然いるでしょう。
でも、それでは金額がどんどん上がってしまいますよね?
そうならないためにも、事前にリフォームの目的を明確にしておくと、本当に必要なリフォーム内容がしっかり見えてきます。
費用を抑えるためには、まず何よりもリフォームの目的、優先順位をまとめておくことが重要です。
2.リフォームの相場を知る
リフォームをする上で、希望するリフォームに応じた費用の相場を知っておくことが重要です。
相場を知らなければ、リフォーム会社の言い値で工事をすることになり、費用が高くなってしまう危険があります。
リフォームに掛かる適正な費用を知るためにも、相場をしっかりと勉強しましょう。
工事費用が高すぎたり、安すぎたりと相場から外れている会社には注意が必要です。
必要な工事を行っていなかったり、逆に過剰な工事を行っていたりする可能性があります。
その判断を間違えないようにするためにも、リフォームの相場を知ることが重要です。
3.メーカーに直接頼まない
・悪徳な業者に引っかかりたくない
・どこに頼んでいいか分からない
といった方は、リクシルやTOTOなどのメーカーに直接リフォームを依頼するのではないでしょうか?
確かにメーカーであれば、工事自体も、またトラブルが起きた時も安心ではありますよね。
しかしその分、確実に費用もアップしてしまうでしょう。
例えメーカーに頼んだとしても、その大半は下請けの業者へとリフォームを回してしまうからです。
そしてメーカーは、リフォーム費用の中に仲介手数料として、組み込む可能性が高いからです。
これでは直接リフォーム会社に頼んだ方が、仲介手数料が無くなる分だけ安くなりますよね。
実際に浴室ドアの交換だけでも、メーカーの半額になったというケースもあります。
メーカーで見積もりを取ったら高かったという方は、地元のリフォーム会社に頼んだり、一括見積もりサイトで安く工事してくれる会社を探してみると良いでしょう。
4.商品のグレードを下げる
例えばユニットバスだけでも、商品代のみで100万円を超える物も珍しくありません。
でも最低限の機能が付いたシンプルなユニットバスにした場合は、30~40万円で商品を購入できます。
この様に商品のグレードを下げるだけでも、数10万円も費用が変わるのです。
ご自身の目的によって、可能ならば商品のグレードを下げることも検討してみましょう。
ただしユニットバス入替の場合、サイズの関係で商品を自由に選択しにくいこともあります。
そして予算や建物の構造上、ユニットバスの入替自体が困難だというケースもあります。
そんな時でも、地元の工務店や一括見積もりサイトで紹介してもらったリフォーム会社に相談すれば、適正なサイズで、自分の望む金額の商品を探してくれるでしょう。
5.費用を抑える工法を選ぶ
お風呂リフォームでは通常、現在のユニットバスを新しいユニットバスと入れ替えたり、在来浴室をユニットバスに変更するといった工法を使います。
しかし場合によってはかなり高額になってしまい、予算オーバーとなることもあります。
そんな時は、「費用を抑える工法」も選択に入れてみましょう。
エコバスリフォームや部分補修といった、補修がメインのリフォームであれば格安ですることができます。
エコバスリフォームとは、今ある浴室を壊さずにリフォームする工法です。
・浴室塗装 … 費用相場 10~20万円
・パネル工法 … 費用相場 10~20万円
・床シート貼り … 費用相場 4~10万円
このような工法でリフォームを選択すれば、ユニットバス交換の1/2〜1/5に費用を抑えることも可能です。
浴室塗装
浴槽を交換するほどではないものの、キズや汚れが目立つようになった場合には、浴室塗装を利用しましょう。
上から塗装やコーティングを行うことで、きれいな状態になります。
浴室塗装の場合は、ユニットバスの交換と比較すると30万円以上もお得にリフォームできます。
しかし浴槽の状態やひび割れの程度によっては、補修できない場合があるので注意しましょう。
パネル工法
パネル工法とは、エルクリーンやコンフォートパネルなどを使用して、床や壁などを張り換えする方法です。
在来浴室をリフォームする場合には、壁の取り壊しが必要ですが、時間や手間がかかるため、費用も高額になってしまいます。
一方、パネル工法ならパネルを張り換えるだけなので、工事の費用をおさえることも可能です。
パネルの柄は、無地のほかに木目調やマーブル調などのさまざまなデザインがあります。
浴室の広さによっても異なりますが、パネル工法の場合は10~20万円でリフォームできます。
お風呂リフォームの費用に困っているなら、検討してみましょう。
6.部分的なリフォームに留める
浴室全体をリフォームするにはそれなりの費用が必要になります。
しかし、お風呂の状態やリフォームする目的によっては、浴槽だけ、壁の一面だけ、床だけ部分的なリフォームだけでも充分なこともあるでしょう。
そうすれば数万円〜十数万円の費用で抑えられる可能性が高くなります。
7.職人の作業スペースを確保する
リフォーム全般に言えることですが、リフォームをする浴室だけで作業スペースが収まるとは限りません。
家に人が住んでいることで、職人の動きが制限されてしまい、余分な時間が掛かることも少なくありません。
その影響で工期が延びたり、作業が増えたりすることでリフォーム費用が上がることもあります。
リフォーム会社に「リフォームが停滞しないよう気を付けることはあるか?」と相談してみましょう。
費用を抑え、職人に気持ちよく働いてもらうために、作業スペースを確保するなど協力しましょう。
8.施主支給でリフォーム出来るか確認する
施主支給でリフォームできる場合は、費用をおさえられる可能性があります。
施主支給とは、リフォームに必要な建材やお風呂の設備を施主が購入して、リフォーム会社には工事のみをお願いする方法です。
自分で必要な部材を準備することで、商品手配などのマージンが発生せず、費用を抑えられる場合があります。
しかし正しい部材を準備しないと、工事に支障をきたす場合があるので細心の注意が必要になるでしょう。
9.補助金・減税制度を使う
お風呂のリフォームは、浴槽の交換や段差をなくす工事など様々ありますが、ユニットバスを交換するような工事ですと、工事費用が100万円以上になることがあります。
工事内容によって高額になるとは言え、できれば安く済ましたいですよね。
そこで活用したいのが、補助金制度です。
必ず補助金が貰えるわけではありませんが、適用されれば工事費用の9割を負担してもらえる場合もあります
どのような場合に補助金制度が使えるのかを、次で見ていきましょう。
省エネ・介護対策なら、補助金を活用しやすい
お風呂リフォームでバリアリフォーム対策を行う場合は「介護保険」の対象になることがあります。
以下で紹介しているのが、介護保険制度で補助金制度を利用するための工事項目です。
・浴室内に手すりの取付ける
・入口周りの段差の解消
・扉を引き戸に交換する、または入り口を広くする
・浴室の床を滑りにくい素材にする
・浴室の断熱性を高める工事
また窓などの断熱化工事・高断熱浴槽の導入といった省エネリフォームを実施する際にも、国や自治体の補助金対象になる可能性が高いです。
東京都渋谷区の「住宅簡易改修工事費助成」などの制度では、工事金額や協定業者などの要件を満たせば、介護・省エネ対策ではないリフォーム工事も補助対象としています。
上記のように自治体によってはバリアフリーではないお風呂リフォームでも、補助金制度の対象となることがありますので、まずは住んでいる自治体の補助金制度を調べてみてください。
補助金制度を申請する3つの機関
補助金は以下の3つの機関により、もらうことができます。
1.国
お風呂リフォームで、国の補助金制度を利用するときはバリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、長期優良住宅化リフォームが該当します。
対象となる工事と対象者の条件がそれぞれ異なりますので、注意してください。
さらに、国が行っているので補助金額は大きいのですが、毎年行っているわけではないため確認が必要です。
2.自治体
自治体の補助金制度は、県によっては行っていない場合もあります。
詳しい内容は各自治体のホームページなどで確認できますので、調べてみてください。
各自治体の補助金制度も、国の補助金制度と同様に去年やっていたからといって、今年やってくれるとは限りません。
また、募集の人数や申請金額の限度がある場合は、早い者勝ちとなります。
利用するときは前倒しで計画を考えることが大切です。
3.介護保険
条件を満たしていれば介護保険の補助金が交付されます。
要介護や要支援と認定された方がいる住宅、という条件が加わりますが、満たしていれば最大20万円まで負担してもらえます。
施主は工事費の1割を支払うだけで済むため、20万円のリフォーム工事の場合、18万円を負担してもらえるので、施主の支払いは2万円となります。
(※所得に応じて工事費の自己負担が2~3割になることもあります)
ただし、補助金が申請者に支払われるのは工事後です。
リフォーム会社には工事費を全額を支払うことになりますので、リフォーム費用はきちんと用意しなくてはいけません。
10.相見積もりを必ず取る
リフォーム費用を下げたいならば、必ず相見積もりは取りましょう!
リフォームには定価がなく、リフォーム会社によって、まったく金額が変わってしまうからです。
相見積もりを取っただけで、数十万変わることもあるぐらいです。
一括見積サイトで相見積もりを3社ほど取り、比べてみましょう。
3社以上になると手間が掛かるのと、数が多いことで比較するのに混乱してしまい、冷静な判断ができなくなってしまうかもしれません。
また純粋に費用のみを比べる場合は、すべて同じグレードの商品で見積もりを出してもらうようにしましょう。
商品グレードが違う場合は、金額が変わってしまい比較にならなくなってしまうからです。
まとめ
今回は、リフォームでのトラブルを防ぐための見積書の正しい見方と、予算を押さえるテクニックを見てきました。
注意することがたくさんあって心配になるかもしれませんが、必ずやって欲しいことは『相見積もり』を取ることです。
相見積もりを取ることで、適正な価格を知ることができます。
実際に各社を比較するだけで、数十万円も抑えることができる場合もあります。
相見積もりを一括見積もりサイトで取れば手間もかからず、通称『コンシェルジュ』と呼ばれているリフォームのプロから工事するうえでのアドバイスも貰えます。
高額なリフォームを失敗しないためにも、一括見積もりサイトの利用をオススメします。
以下が、トラブルを防ぐための正しい見積書の見方と、予算を押さえるテクニックのまとめです。
1.作成日があること
2.有効期限があること
3.商品名や型番の記載があること
4.数量や単価が記載され、妥当か
5.諸経費は総工事費の何%か
6.処分費が計上されているか
7.職人の日当が明記されているか
8.「一式」と書かれた見積もりは受け入れない
9.合計金額をチェック
10.押印があること
11.署名が必要な場合は注意
12.不明瞭な部分を放置しない
1.リフォームの内容を明確にする
2.リフォームの相場を知る
3.メーカーに直接頼まない
4.商品のグレードを下げる
5.費用を抑える工法を選ぶ
6.部分的なリフォームに留める
7.職人の作業スペースを確保する
8.施主支給でリフォーム出来るか確認する
9.補助金・減税制度を使う
10.相見積もりを必ず取る