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シロアリ対策・補修費用に掛かる金額は?コンクリートやユニットバス被害例

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大事な家を食べてしまう『シロアリ』

シロアリの名前はよく聞きますが、何を食べるのか、どんな所に被害を出すのか等、知らない方も多いと思います。

シロアリはユニットバスや鉄筋コンクリートの家でも、平気で侵入してきます。

今回はシロアリから家を守るための点検や環境作り、被害にあった場合の補修費用や工期について見ていきましょう。

目次

シロアリとは?

シロアリは住宅に使われている木材を食べるため害虫と呼ばれています

シロアリのエサのひとつが「木」です。

しかしシロアリは、地球環境という目で見れば大切な役割を持っているんですよ。

シロアリが木を食べてくれないと、地球上は枯れ木であふれかえってしまうことになるからです。

地球にとっては、シロアリはなくてはならない存在なんですね。

ただし木を住み家にしている場合には、相性はあまり良いとは言えません。

木を使っている家は、シロアリにとって絶好のエサ場となってしまうからです。

シロアリが木材をエサにする理由

シロアリは『セルロース』を栄養源としています。

セルロースは食物繊維の一種で、不溶性食物繊維として分類されており、食品では大豆やごぼう、穀類などに多く含まれています。

セルロースは植物を構成する主要な物質であり、木を始め地球上で最も多く存在する有機物です。

シロアリは木に含まれている『セルロース』を摂取するために、木を食べているんですね。

シロアリのエサにする物

シロアリは木材のほかに、以下のようなセルロースを含むものをエサにします。

  • 木材
  • 新聞紙
  • 段ボール
  • 衣類

また、シロアリはセルロースを含まないゴムプラスチックコンクリートなどにも穴を開ける場合があるんですよ。

こえはエサとして食べたのではなく、途中にある障害物を食い破って進んだ穴になります。

シロアリのエサ場へ向かうエネルギーは膨大で、エサ以外の硬いものでも、頑丈な歯で噛みちぎって進んでいきます。

シロアリの種類

ヤマトシロアリ 寒冷地を除き、ほぼ日本中にいる普通種。
被害の多くはこのシロアリによる。「水分を体内に貯めて運ぶ能力」がないため、湿気の多い浴室や台所の床下を好んで食害する。
土の中・湿った木材の中など、多湿な場所を好み被害は床下に多い。
巣内の個体数は2~3万匹。
イエシロアリ 本州千葉以西の太平洋から瀬戸内海にかけての沿岸地域、四国、九州、沖縄に分布 する。
被害は建物全体におよび、極めて激しい被害を出す危険種
地中などに巨大な巣-メガロポリス-を造る。
巣内の個体数は百万匹に達する。
アメリカカンザイシロアリ  アメリカ産の侵入種。
土の中には住まず乾いた木材を加害し、被害は建物全体におよぶ。
巣内の個体数は2千~3千匹と少ないが、体長はヤマトシロアリの2倍ほどあり激しい被害が出る。

お風呂周辺で見かけるシロアリの多くは「ヤマトシロアリ」という種類のシロアリです。

ヤマトシロアリは、水分を体に蓄える事が出来ません。

乾燥した木材を食べる場合、水分のある地中の巣を行ったり来たりするので、床上の木材に被害を与えることは希です。

その為、お風呂周辺でシロアリを見かけたということは、床下の木材を食べ尽くして上ってきたと考えられるでしょう。

ヤマトシロアリの他には「イエシロアリ」や「アメリカカンザイシロアリ」という種類のシロアリもいますが、こちらは非常に希なケースでしょう。

しかし、イエシロアリは自身に水分を蓄えて行動できる為、被害は床下に留まりません。

またアメリカカンザイシロアリは外来種であり、乾いた木材を好み、土の中に住まないので、被害は家全体に及びます。

これら2種類のシロアリが及ぼす被害の範囲は家全体で、空家にしていた家が2~3年で食い尽くされたという例もあります。

シロアリがお風呂を好きな理由

シロアリが好きなのは、やわらかい物。

そのため、シロアリはお風呂・トイレ・洗面所などの、水漏れでやわらかくなった木材を好んで食べます。

ただし、これはすべてのシロアリに当てはまる訳ではありません。

湿気でやわらかくなった木材を好む『ヤマトシロアリ』がいるというだけです。

例えば、アメリカカンザイシロアリのように、建物の2階部分や家具などの湿気を含まない木材を好んで食べ、家全体に被害が及ぶシロアリも存在します。

タイル張りのお風呂にシロアリが発生する理由

タイル張りのお風呂では、防水は不十分と言わざるをえません。

タイル同士の隙間を埋めるコーキング材が経年劣化で剥がれてしまい、そこから家の中に水が浸入しやすい構造になっています。

またタイル自体が欠けて、水が浸入してしまう場合もあるでしょう。

ヤマトシロアリの場合は、高温多湿の環境に住みつく習性があるため、お風呂が水漏れしていると、繁殖しやすい場所になってしまいます。

タイル張りのお風呂は、ユニットバスに比べて水漏れが起こりやすく、シロアリが発生しやすい環境と言えるでしょう。

シロアリの被害例

タイル張りのお風呂、柱の被害例

上記2枚の写真のようにヤマトシロアリは、湿った木材を好むので床下の湿気のこもりやすい箇所に被害を及ぼします。

しかし雨漏りや給排水の劣化により、屋根裏や梁・柱が水分を含むと、2階や天井裏まで被害を及ぼす場合があります。

ヤマトシロアリによる2階被害例

イエシロアリは水を運ぶ事ができるので、湿気の少ない屋根裏や2階にある乾燥した木材にも被害を及ぼし、被害は建物全体に及びます。

イエシロアリによる屋根裏被害例

シロアリはコンクリートも食べてしまう?

シロアリが食べるのは木材や段ボールですが、実は突き当たったものはどんなものでもかじるという性質があります。

コンクリートもかじってしまいますが、エサとして食べているわけではありません。

床材や下地材などの木材に出会うまで、目の前にある物を手当たりしだいにかじりながら突き進んでいるのです。

またシロアリ被害を受ける家は、古い木造建築というイメージがありますが、鉄筋コンクリート製の家であってもシロアリの被害を受けます。

鉄筋コンクリートの住宅であっても、意外と多くの木材が使われているんですね。

鉄筋住宅も1階の床構造に木材を使用

実は軽量鉄骨造、重量鉄骨造ともに、1階の床組(床を支える部材)に木材を使用していることがほとんどです。

木材が使われている以上、シロアリ被害を受ける可能性はゼロではありません。

鉄骨よりさらに上のフローリングや内装材、和室の畳、玄関の上がり框など、室内から見える場所に使われている木材にも被害を及ぼします。

鉄筋コンクリートだからシロアリ被害にあわない、ということはありえないということですね。

多いのは玄関

鉄骨造に限らない話ですが、シロアリ被害が最も多いのは玄関です。

玄関はタイルで密閉されていますが、タイル裏側の見えない僅かな隙間が、絶好の侵入ポイントとなっています。

玄関の場合は、床下からも表側からも初期の被害を見つけることが非常に困難なため、気づいたときには相当にシロアリ被害が進んでいます。

鉄筋などのいかなる住宅であっても、シロアリの被害を確実に防ぐ方法はありません。

木造住宅と違って、コンクリート住宅の場合は被害箇所が外からでは特定しにくい、深い層で起こっていることがあります。

さらに、コンクリートの硬さや厚みが駆除の妨げになるので、シロアリ駆除がうまくいかず、何度もシロアリ被害を受けてしまうことになります。

ユニットバスでもシロアリ被害は起こる

水が漏れにくいユニットバスでも、シロアリ被害は起こります。

窓枠のコーキング劣化により水漏れが発生し、壁の中に水が浸入してシロアリが発生がした例です。


解体写真

ユニットバスであるからシロアリ被害にあわないと思うのは、大きな間違いと言えるでしょう。

シロアリが発生しない環境作り

たとえユニットバスや鉄筋コンクリートの住宅であったとしても、シロアリはわずかな隙間から侵入し、大切な家を食害します。

シロアリを100%防ぐことはできないので、日頃からシロアリ対策をしっかり行いましょう。

ここではシロアリから家を守る、4つの効果的な対策方法を紹介します。

5年周期で定期点検を行う

実際にシロアリ被害を受けているかの判断は、素人には難しいです。

シロアリ駆除業者への定期的な点検依頼が確実でしょう。

たとえ過去に点検してもらったからと、安心はできません。

土壌処理や木材処理はシロアリ予防の施策として効果はありますが、効果は永久に続きません。

シロアリ駆除で散布する薬剤は、環境に与える負荷を軽減する目的で、持続する効果を5年に抑えられています。

5年をメドに、シロアリ専門業者に再点検と薬剤散布をしてもらいましょう。

土壌処理

シロアリは、基本的に地中から住宅内に侵入します。

土壌処理は3種類ありますが、土壌の表面または内部に専用薬剤を散布してシロアリを予防する方法です。

通常は、土壌の表面に薬剤を散布する面状散布を採用。

状況によっては、帯状散布や加圧注入が追加されるケースもあります。

散布方法 説明
面状散布 土壌の表面に薬剤を散布
帯状散布 基礎内部や束石の表面に薬剤を散布
加圧注入 土壌の内部に直接薬剤を注入

 

木部処理

木部処理とは、建物の土台に使用されている木材の表面または内部に専用薬剤を散布し、シロアリを予防する方法です。

処理補法には、吹付処理・塗布処理・穿孔注入処理・穿孔吹付処理の4種類があります。

処理方法 説明
吹付処理 噴霧器で薬剤を吹き付ける
塗布処理 木材の表面に薬剤を塗布
穿孔注入処理 専用機器で木材に穴を開けて薬剤を注入
穿孔吹付処理 専用機器で壁面に穴を開けて薬剤を吹付ける

シロアリが発生していない住宅に木部処理を施す場合は、塗布処理を採用。

すでにシロアリ被害に遭っている木材や壁面がある場合は、穿孔注入処理や穿孔吹付処理を施し、シロアリを駆除します。

穿孔注入処理や穿孔吹付処理では、木材または壁面に穴を開けますが、穴を木栓で塞ぐため薬剤が漏れだすことはありません。

木材や廃材などのゴミを放置しない

庭に木材やダンボールなどのゴミを放置すると、絶好の餌場になりシロアリを呼び寄せてしまいます。

さらに、シロアリは木材だけでなく、ダンボール・発泡スチロール・古新聞・プラスチックも餌として食べます。

シロアリが住宅に侵入しないようにするためにも、家の庭にこの様なゴミを放置しないようにしましょう。

シロアリ被害を受けたお風呂のリフォーム工期や費用

お風呂がシロアリの被害にあった場合には、シロアリ駆除とともに、お風呂のリフォームを視野に入れましょう。

シロアリ被害を受けたお風呂のリフォームにおける、工期や費用の目安は以下のとおりです。

木材補修費用

一例に過ぎませんが、たとえば柱の一部が食い荒らされ、補強で済む場合は柱1本につき1~5万円程度がかかるでしょう。

一方、補強が出来ないほど被害が酷い場合は柱の交換になります。

柱1本のまるごとの交換であれば、柱は30万円、土台部分まで被害が及んでいれば追加で20万円ほどが必要でしょう。

実はシロアリ被害で建て替えをする家は、ほぼないのが現状です。

ほとんどの場合は被害箇所を補強するリフォーム、あるいは部材の取り替えで十分に対応できます。

シロアリ被害にあったからと、過度に怖がる必要はありません。

お風呂のリフォーム費用と期間

ユニットバスの交換にするのか、タイル張りの在来工法にするのか等の違いにより、費用や工期は変わります。

リフォーム内容 費用相場 工期目安
ユニットバス→ユニットバス 50~150万円 3~4日
在来浴室→ユニットバス 65~150万円 7日前後
在来浴室→在来浴室 50~200万円 14日~1ヶ月

在来浴室と呼ばれるタイル張りのお風呂から、ユニットバスへのリフォームは、一般的に7日間ほどが目安です。

タイル張りのお風呂(在来浴室)から、再度タイル張りのお風呂にリフォームする期間は、14日程度になります。

ユニットバス・タイル張りどちらの場合も、お風呂場がシロアリの被害にあっている場合には、補修に1~2日ほどかかります。

シロアリの被害にあっている場合は、工期を長めに確保しておくと共に、事前に施工業者に知らせておきましょう。

またシロアリ対策の薬剤散布は、戸建て30坪の家の場合、家全体の薬剤散布で20~30万円が必要になります。

注意が必要な点は、お風呂の床下だけの薬剤散布では効果がないということです。

お風呂から逃げ出したシロアリが、他の場所から家に侵入してくるので、家全体に薬剤を散布するようにしましょう。

シロアリ駆除の費用相場

シロアリ駆除の大まかな費用相場は「1㎡あたり3,000円前後」で、坪数(1坪3.3㎡)に直すと「1坪あたり10,000円前後」です。

坪数(㎡数) 費用相場
20坪(約66㎡) 15万~20万円
30坪(約99㎡) 20万~30万円
35坪(約115㎡) 25万〜35万円
40坪(約132㎡) 30万〜40万円

戸建て住宅を購入する場合に、平均的な広さが約30~40坪と言われています。

よって平均的な広さの戸建てにおける、シロアリ駆除の薬剤散布は、20~40万円ほどになるでしょう。

シロアリ駆除工期

作業時間は建物の規模や床下の造りにもよりますが、平均的な30坪の戸建て住宅なら4時間前後が目安です

すでにシロアリ被害に遭っている場合は、木材に穴を開けて薬剤の穿孔注入処理を施しますが、それらを合わせても4時間程度で終了します。

被害が天井まである場合は作業時間が伸び、2日ほどかかる場合もあります。

それに付随してボロボロになった木材の交換などを行う場合は、さらに1~2日ほどの作業時間を要します。

シロアリ駆除と同時に建材の修繕や交換もおこなう場合は、作業期間を2~3日間ほどみておきましょう。

シロアリ予防に床下換気扇・市販薬は有効?

戸建てのシロアリ予防で、床下換気扇市販薬効果は期待できません。

市販薬はやらないよりやった方が効果はありますが、効果の範囲は比較的小さく、効果の期間も半年~1年ほどで切れてしまいます。

床下換気扇が期待できない理由

シロアリ予防でよく聞く床下換気扇ですが、予防の有効はまったくありません。

まずシロアリは、湿気があるところに発生するものではありません。

地中から『蟻道(ぎどう)』を使って、家屋に侵入してきます。

シロアリは「蟻道」という、土の粒と自分たちの「フン」を塗り固めて作った「密閉されたトンネル」で、地中から水を運びながら侵入します。

つまり、内部が快適な湿度に調整されたトンネルの中を通って来ますから、床下が乾燥していようが関係ないのです。

したがって床下換気扇や調湿材等ではシロアリの侵入を阻止したり、住みにくい状態にすることはできません。

もちろん、カビやニオイの観点から見れば床下換気扇は効果があるでしょう。

ですがシロアリ予防となると、効果は一切ありません。

もしカビや臭い対策で床下換気扇を設置する場合は、平均的な家の作りで3台程度で良いでしょう。

床下換気扇の取り付け費用はメーカーやリフォーム会社によって異なりますが、3台設置で約10〜30万円ほどが一般的な価格です。

市販薬が有効でない理由

スプレータイプや液体タイプの市販薬を家の外壁に散布する事で、シロアリの侵入を防ぐ事は可能です。

しかし、このような薬剤は揮発性が高く、こまめに散布しないと効果は持続しません。

ピレスロイド系の薬剤は毒性が強い分、シロアリに対して「忌避」する作用があります。

「忌避」とは寄り付かない、シロアリが嫌がって通らない成分があり、かつシロアリにかかると死んでしまうような毒性です。

しかし市販のピレスロイド系の殺虫剤は、6ケ月から1年で効力は薄れていきます。

対して、シロアリ業者の薬剤の効果は5年続くように作られています。

効果の期間が短か過ぎて、シロアリ駆除の市販薬はオススメできません。

シロアリ業者に頼んだ方が良い理由

専門業者によるシロアリ予防薬剤散布風景

シロアリ予防には、専門業者による薬剤予防が一番効果的です。

専門業者の薬剤予防には一般的に、保証期間が5年間、シロアリ被害があった時の駆除・補修費用の負担という保証が付いてきます。

シロアリ業者の薬剤は5年の効果を目処に作られているので、確実に防ぐためにも5年ごとに施工するようにしましょう。

素人では完全に駆除できない場合がある

自分で駆除や予防するには限界があります。

シロアリ駆除がとくに難しいのは、巣が床材や壁の内部、地中などにあって直接確認しづらい点にあります。

イエシロアリの巣

そのため、素人が完璧にシロアリを駆除するのには無理があるといえるでしょう。

プロはシロアリの居場所を探し出すための探知機を使い、対策を施します。

位置を把握して駆除工事を行うには、プロの経験と知識が必要になるでしょう。

シロアリの駆除をおこなう際には、床下に入って被害の状態を確認します。

調査後、床下に入り被害木材の中へ薬剤を適切な量注入します。

そして、土壌面に対しても薬剤を全面に散布することで、新たなシロアリの侵入予防対策まで行います。

素人の場合、狭い床下でシロアリを駆除するのは難しいでしょう。

駆除が不十分だった場合は、シロアリ被害が出てしまいますし、薬剤について知見があることからも、プロに頼んだ方が良いでしょう。

健康被害のリスク

自分でシロアリ駆除を行うと、薬剤を大量に吸い込んでしまった場合に、著しく体調を損なう危険があります。

薬剤をしっかり遮断するマスクや、防護服を準備する手間も掛かります。

かえって費用が高くなる

自分でシロアリ予防を行った場合に費用が高くなってしまう理由は、次の点が挙げられます。

・完全に駆除出来なかったために、再度自分で行うかプロに頼まなければいけなくなる

・マスクや防護用の服、噴霧器などの購入費用がかかる

・市販で売られている薬剤は容量が少なく、確実に駆除しようと思うと大量に購入しなければならない

素人では適切な薬剤の選定や使用量、使用場所を判断するには無理があります。

苦労した割に効果が得られないよりも、プロに頼んだ方が時間もお金も節約できるでしょう。

シロアリ散布は、お風呂の床下のみでOK?

浴室の床下だけ薬剤を散布するのでは、不十分と言えます。

浴室はシロアリの温床となりやすく、他の場所よりも被害が多い箇所であるのは確かです。

しかしシロアリは生き物ですから、どこから侵入するかを把握することはできません。

浴室以外にも床下空間や玄関など、他の部分からシロアリが侵入することもあります。

シロアリ防除無処理と処理済みの違い出典:『シロアリ1番!』

浴室だけ処理すれば、浴室から侵入されることはなくなりますが、それ以外の場所からの侵入は防ぐことができません。

また、浴室にシロアリ被害があった場合は、薬剤を嫌がったシロアリが他の部屋に移動して活動を続けるからです。

ですので、シロアリ駆除するなら最低限、家のまわりをすべて薬剤散布する必要があります

また通常、1階すべての床下を薬剤散布してはじめて保証がつきます。

薬剤散布は5年ごと

シロアリ駆除の薬剤効果は永続的ではないため、散布してもシロアリの繁殖や被害を完全に防ぐことはできません。

また現代のシロアリ防除薬剤は環境に負荷がかからないように、自然に分解される薬剤に変わっています。

その薬剤効力が5年なのです。

実際に公益社団法人日本しろあり対策協会の防除施工標準仕様書では、5年を目途に再処理(シロアリ予防)すると規定されています。

協会では5年を超えて長期間有効な薬剤は環境によくないと考えています。

そのため認定する薬剤の有効期間は5年になっています。

シロアリを確実に防ぐためにも、薬剤効果が切れる5年ごとの薬剤散布を行いましょう。

薬剤散布方法(穴あけ)

タイル張り風呂のシロアリ予防処理

タイル張りのお風呂の場合は、上の写真の様にブロックを積んだ上に木材を載せている場合が多いでしょう。

これは少しでもお風呂周辺の木材を、水や湿気から遠ざけるための措置です。

この木材を覆うようにタイルが張ってあるので、タイル張りのお風呂の場合はタイルの目地(タイルとタイルの継ぎ目の溝)に穴を開けて、木材に薬剤を注入します。

2.5mmから4mm程度の穴を開けて薬剤を注入し、モルタルで穴を埋めるのが一般的です。

また浴室の床タイル下はコンクリートが施工されていますが、そのコンクリートの下はシロアリ侵入経路である土壌になっているんですね。

コンクリート下に土が敷き詰められているので、そこにも薬剤の注入を行います。

穿孔

床タイル目地に穴を空けます。

これはコンクリートを貫通させて、下の土壌部分に薬剤を注入する為の準備ですね。

この開けた穴から、土に向かって専用機器で内部に薬剤を加圧注入します。

開けた穴をモルタルで補修したら、地面への薬剤注入は完了です。

ユニットバスのシロアリ予防処理

家のお風呂がユニットバスだった場合は、ユニットバス下の木材に向けて、床下から薬剤を散布できます。

しかし外壁に面している部分の木材は、床下から作業できない場合もあるでしょう。

その時はユニットバスに穴を開けることができないので、外壁に穴を開けて該当部分の木材に薬剤を注入します。

お風呂,シロアリ,駆除

2.5mmから4mm程度の穴を開けて薬剤を注入し、補修用パテで穴を埋めるのが一般的です。

業者によってやり方が異なりますので、契約前にしっかりと説明を聞いておきましょう。

薬剤散布は、お風呂の解体時がベスト

タイル張りのお風呂からユニットバスにリフォームする際には、タイル張りのお風呂の床下を解体して、土間を出します。

土間(土)を出したら、ユニットバスの重量を支えるための土間コンクリートを流し込みます(通称:土間打ち)

このお風呂の床下を解体して、土間が出てきた時が薬剤散布の絶好のタイミングです。

シロアリは土壌の中から、トンネルを掘って建物に侵入してくるんですね。

この土壌に直接散布できることは侵入経路そのものを遮断することに繋がり、非常に効果的です。

上の写真は、土間コンクリートを流した後の写真になります。

ユニットバスを設置するための土間コンクリートを流してしまうと、土壌が隠れてしまうため薬剤散布ができません。

築20~40年の戸建て住宅の在来工法の浴室リフォームでは約8割の浴室で何らかの蟻害や腐朽が見つかると言われています。

ユニットバスの工事発注前にシロアリ調査をして、在来浴室の解体後で土壌が出ている間に薬剤散布を専門業者に行ってもらいましょう。

またシロアリ駆除の薬剤散布は、お風呂の周辺だけではなく、家全体に薬剤散布をしないと効果がありません。

薬剤散布したお風呂周辺を避けて、シロアリが家の中に侵入してくるおそれがあります。

リフォームするお風呂周辺だけではなく、家全体に薬剤を撒いてもらいましょう。

シロアリ駆除業者の選び方

しろあり対策協会の会員である

現在、シロアリ業者を規制する法律は無いため、いつでも誰でもシロアリ駆除業者になることができます。

これではシロアリに対しての知識があるか心配で、安心して任せることができませんよね。

国土交通省管轄の元に結成された「公益社団法人日本しろあり対策協会」の会員である業者には、シロアリ駆除の知識が認められた「しろあり防除施工士」がいます。

シロアリ駆除は資格なしでもできますが、より専門知識や技術を身に付けている業者に依頼したい場合は、協会の会員である業者を選びましょう。

日本しろあり対策協会のホームページでは全国の会員が閲覧できるので、気になる業者がいれば確認してから依頼しましょう。

見積もりに明確な価格が記載されている

無料点検を実施している業者が多いので、まずは点検してもらい正確な見積額を出してもらいましょう

優良な業者であれば、見積書に明確な価格や内訳まで記載されています。

作業が始まってから追加料金を取られないように、見積書の内容に不明な点がある場合は、確認してから依頼をしましょう。

材料の単位に「一式」が多用されていないか、ホームページに掲載している価格と相違が無いかもチェックが必要です。

シロアリ駆除以外のサービスを過剰にすすめてこない

シロアリ駆除を依頼すると、シロアリ予防のためとして「床下換気扇」や「調湿剤」などの湿気対策を提案されることがあります。

シロアリは乾燥している場所でも、調湿された蟻道を通って床下の木材に近づくので、乾燥させたところで効果はまったくありません。

よって、床下換気扇や調湿剤は一切効果がありません。

高額な費用がかかることが多いうえ、湿気対策ではシロアリは防げません。

過剰に進めてくる場合は理由を聞いたうえで、本当に必要なのか検討しましょう。

再発時の保証やアフターサービスが充実している

シロアリ駆除後の再発や防止に備えて、アフターサービスや​​保証内容を事前にチェックしておきましょう。

シロアリ駆除の保証期間は、一般的に5年間です。

これはシロアリ駆除に使われる薬剤の効果が、5年程度になるように作られているからです。

シロアリ駆除や薬剤散布をした時に付く保証は、大きく分けると2種類あります。

ひとつは再施工保証、もう一つが損害賠償保証ですね。

どちらの保証も家の一部分しか駆除を行わない場合、未処理箇所からの再発リスクが非常に高いため、保証されないことは理解しておきましょう。

再施工保証

再施工保証は工事完了後にシロアリが再発生した場合、保証期間内であれば再施工(駆除処理)に対応してもらえる保証です。

再施工(駆除処理)にかかる費用が無料となるので、安心できますね。

再施工保証はシロアリ駆除のスタンダードな保証で、ほとんどの業者が対応しています。

損害賠償保証

シロアリ被害が発生した際に、被害にあった部位の修理費用を負担してもらえる保証です。

保証金額の上限は100万〜1000万円ほどが一般的で、業者によって保証金額は異なります。

損害賠償保証は再施工保証に比べ、非対応の業者の割合が多くなっています。

まとめ

シロアリはコンクリート住宅でも、わずかな隙間や劣化によるヒビ割れから住宅に侵入し、被害をもたらします。

ユニットバスで水漏れが発生しにくいでも構造でも、窓のコーキング劣化からの水漏れにより、シロアリ被害が発生する場合もあるでしょう。

シロアリの被害を確実に防ぐためにも、5年ごとのシロアリ駆除(薬剤散布)や家の周りに廃材を置かないなどの、環境作りに努めましょう。

シロアリ対策・施工費用まとめ

シロアリは鉄筋コンクリートの家でも被害を出す。油断は禁物

・ユニットバスでも窓のコーキング劣化による水漏れで、シロアリ被害が発生する

5年周期で定期点検と薬剤散布をシロアリ業者に依頼する

・シロアリを呼んでしまう為、木材や廃材などのゴミを庭に放置しない

・シロアリ被害の木材補修金額と工期

被害にあった柱の部分補強…1~5万円

柱1本まるごと交換…30万円

木材補修工期…1~2日

・被害にあったお風呂のリフォーム費用

ユニットバス→ユニットバス…50~150万円(工期3~4日)

タイル風呂→ユニットバス…65~150万円(工期7日前後)

在来風呂→在来風呂…50~200万円(工期14日~1ヶ月)

・シロアリ駆除相場と工期

一般的な30~40坪の家…20~40万円

被害がない場合…作業時間4時間

被害範囲が天井まで及ぶ場合…2日ほど

シロアリ駆除の薬剤散布はお風呂周辺だけでは効果がない。家全体に薬を撒くこと

お風呂のリフォーム時は、シロアリ駆除の最適タイミング。リフォーム内容に薬剤散布を入れること

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